「断食と鍼治療は相性が良い」という話をよく耳にします。今回は、断食中の鍼治療の効果について考察し、実際の治療について鍼灸師の小平三和先生にお話を伺いました。
断食と鍼治療はなぜ相性がいいのか
断食と鍼治療には、それぞれの効果を補完する側面と、相乗効果を生み出す側面があり、非常に相性がよいと言われています。
断食は食事から得られていた栄養が得られなくなるという危機的状況を意図的に体内に作り出すのに対し、鍼治療は体外からの刺激によって危機的状況を作り出すことで様々な効能を得ることを目的としています。鍼を用いて意図的に細胞を破壊することで体の自己回復機能を呼び覚ましたり、ツボを刺激することで代謝を上げたりリンパの流れを改善したりなど様々な効能を得ることができます。
断食 | 鍼治療 | |
---|---|---|
補完的効果 | 体内の作用 | 体外からの作用 |
血流が穏やかになり体温が下がる | 血流が活発になり体温が上がる | |
即効性はない | 即効性が高い | |
相乗的効果 | 身体のデトックス能力を高める | |
体にとってある種の危機的状況を作り出しそれによって体を整える | ||
自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが整う |
長期間の断食が難しい方は鍼で効果を補完するのが良い
断食は長く続けたり回数を重ねることで大きな効果が得られます。もちろん24時間程度の断食でも得られる効果はあるのですが、ある一定期間以上続けることによってその効果は最大化されます。その点、鍼治療は治療中または治療直後でも効果が現れます。例えば、便通でいえば鍼治療中に何度もお手洗いに行かれる方がいたり、肩こりや腰痛でいえば治療直後からその部位の軽さを実感される方が多数いらっしゃいます。短期間しか断食を行えない方であっても、鍼治療を取り入れることで断食の効果を高めることが可能になるのです。ただし、断食中の鍼治療について知識のある鍼灸師の先生に診てもらうことが重要です。
余談にはなりますが、断食によって難病を克服され、現在も1日1杯の青汁で生活されている森美智代先生も鍼灸院を営んでいらっしゃいます。
大阪で森鍼灸院を営む鍼灸師。甲田医院の故・甲田光雄医師の著書で度々紹介される「仙人2号」のMさん。 難病である小脳脊髄変性症を断食(西式甲田療法)にて克服。1日青汁1杯のみで生活する様子は、TBSの最新人体ミステリー シンドロームXでも紹介された。
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断食中の鍼治療 施術内容
断食中の鍼治療について鍼灸師の小平三和先生に話を伺いました。小平三和先生は、断食道場FRCでも施術をおこなっていらっしゃった断食と鍼治療について知見のある先生です。
どの段階においても共通していること
代謝を上げること
簡単にいうと細胞が生まれ変わる能力を高めてあげることです。爪が伸びることや、髪が伸びること、肌のターンオーバーなどで実感できると思いますが、私達の体は常に新しいものが作られ、古いものが捨てられています。断食中に活発になる新陳代謝を、鍼治療でより一層活発にすることができます。
リンパの流れを改善すること
リンパ液の流れが改善されると、老廃物や疲労物質などの排出がスムーズに行えるようになります。言い換えれば、リンパの流れが悪いと老廃物などが体内からうまく排出されず、それが残ってしまう状態です。
準備食や断食初期
断食中
回復食
その他
好転反応
まとめ
断食中の鍼治療が良いとされる理由について理解できましたでしょうか?本文中にも記載しましたが、断食の鍼治療は、それについて知識のある鍼灸師の先生の施術を受けましょう。
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