ファスティングプログラム中の食事について
ファスティング・プログラム中の食事は、[1]ファスティングに入る前に体を慣らす準備食、[2]固形物を一切摂取しないファスティング、[3]体を元に戻していく回復食という3つのステップから成り立ち、これらの期間を準備食1/3、ファスティング1/3、回復食1/3と均等に組んでいくのが基本になります。これはファスティング初心者でも安定して無理なくファスティングを行えるオーソドックスなプログラムです。
スポーツに例えるとわかりやすいのですが、ファスティング本番をマラソン競技でいうところの42.195km走る部分だとしたら、その前のウォームアップの段階が準備食、走り終わったあとのクールダウンが回復食と考えたらよいでしょう。「ちょっと1kmくらいゆっくり走ろう」程度でしたら軽めのウォームアップとクールダウンでも構いませんが、全力でフルマラソンをやろうと思ったら入念なウォームアップとしっかりとしたクールダウンが望ましいのと同様です。
ときどき、ファスティング前日に「明日から何も食べられないから今日は沢山食べておこう」という方がいらっしゃいますが、本末転倒な上に危険ですので絶対に避けてください。「マラソンで疲れるからよく寝ておこう」と、15時間睡眠をとった直後に準備運動もせず42.195km走るようなものです。本番に向け少しずつ食事量を減らしていくのが理想です。
また、プロの指導が得られる場合には、体調や、普段の食生活、目的、ご要望に合わせてプログラムを組んでもらいましょう。
準備食
準備食は、体にとって必要な各種ビタミンやミネラル類を補給しながら、ファスティング本番へ向けて体を整えていくための食事です。基本は「まごわや(さ)しい」の食材を用いたお食事です。
断食施設ではグリーンスムージー・オートミール・梅干しを基本としているところがございます。準備食および回復食の初期段階においてグリーンスムージーは非常に優れたメニューといえます。作り方も簡単です。旬の葉野菜5種類以上と果物を低速ミキサーで粉々にするだけです。また、主食としては玄米やオートミールが理想的です。オートミールはオーツ麦の全粒をうすで引きローラーで薄くして焼釜でローストしただけの極めて加工度の低い食品です。米やパンなどに比べてたんぱく質、脂質、鉄分を多く含み、食物繊維も豊富な準備食に適した主食です。
普段から乱れた食生活を送っていらっしゃる方やアトピーをお持ちの方などは、ファスティング本番に入らなくてもスムージーを続けるだけで体重の減少や体質の改善が見られる例が多数ございます。
ファスティング中に体重が全く減らないという方は、準備食が十分でない可能性も考えられます。酵素が働くための補酵素(ビタミン)・補因子(ミネラル)は、準備食の段階で補充しておくことも効果的な断食を成功させる重要な要因です。
ファスティング
日常生活における食事の消化吸収で疲労している内蔵を休めることで内蔵本来の機能を取り戻し、人間が本来有している老廃物を体外に排出するデトックス機能が正常に働くようになる期間です。また、糖質から脂質へのエネルギーシステムの転換が起こり、ケトン体という物質が生成され利用されることで身体に様々なメリットがあります。「ファスティングに何を飲んだらよいのか」は議論が分かれるところですので、いくつか紹介します。
ファスティング・ドリンク(酵素ドリンク)
ファスティングに使用することを前提として開発された飲み物です。メリットは、ファスティング中に不足しがちな栄養素を補給しながら行えること、一定量の糖質を補うことで糖質から脂質への急激なエネルギーシステムの転換を抑制できる(急激に切り替わることで体調不良を起こす方がいるのでトラブルの予防になる)こと、断食中の筋肉の減少(脂質96%程度に対し、タンパク質が4%使用されるという実験データがある)を大きく緩和できることなどが挙げられます。
生搾りジュース(青汁やにんじんジュースなど)
西式の断食道場などで推奨されていますが、青汁やにんじんジュースなど生搾りジュースを使用するメリットは生の食物酵素が摂取できることです。準備食のグリーンスムージーとの違いは、野菜をミキサーで粉砕するスムージーに対し、ジューサーで絞り出したものがグリーンジュースになります。
ファスティング中は一時的に内臓の機能が低下するため、栄養素だけを摂取できるジュース(固形物を含まないもの)を用います。
回復食
回復食はファスティングの期間や体調などを考慮して個別のメニューが組まれます。最初はニンジンジュースと重湯など(水分の多いおかゆ、玄米粥やゆるめのオートミールなど)内蔵に負担の少ないものからスタートし、ファスティングの期間に応じて次の段階で準備食と同様のスムージーや、すっきり大根、野菜のポタージュなどの流動食を複数回摂取し、その後だんだんと固形物に移行していきます。最終的には、準備食で基本とした「まごわや(さ)しい」の食材を使用して、玄米ご飯、味噌汁、副菜など普段のお食事に戻していきます。
ファスティング・プログラムにおいて最も重要な食事は回復食です。ファスティング中は普段に比べて摂取するものが極端に制限されるため体が飢餓状態となっています。ファスティング後に摂る食事は、乾いたスポンジが一気に水分を吸収するように、栄養が体に吸収されます。つまり、体にとって良い食事も、良くない食事も普段以上に吸収されるため、回復食は身体にとって理想的なメニューを組むことがファスティング成功の鍵となります。反対に、ファスティング直後に大量の食事を摂ることは、ファスティング中の努力が無駄になるだけでなく、弱った身体にダメージを与え、リバウンドや体調不良などのトラブルに繋がる恐れがあります。ファスティングは何も食べない期間だけが全てではありません。回復食の重要性を理解し、ゆっくりと普段の状態に体を戻すまでの一連の流れが正しいファスティング・プログラムなのです。
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