酵素とは~概論~

断食(ファスティング)の基礎知識
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酵素とは何だろう?

「酵素」という言葉をよく聞きます。「現代人は酵素が足りていない。」「歳を取ったら減る。」いろいろな話を聞きますね。しかしながら、実際に私たちは酵素についてよく分かっていないことが多いです。今回は酵素の基本についての解説です。

酵素の定義

酵素とは、体内で起こる様々な化学反応を引き起こすタンパク質を主とした触媒として働くものです。

分かりづらいという方も多いと思いますので、1つ1つ解説します。

体内で起こる化学反応とは?

例えば、ご飯を食べます。これを細かく分解、消化、吸収して、その栄養素を必要に応じて使っていきます。その中でも、例えば、お肉を食べたとします。よく咀嚼をして胃に送りますが、体の中に包丁があって物理的に細かくしているわけではありません。肉をそのまま置いておいても、化学反応しません。物理的手段を使わないとした時、これを分解しようと思ったら、何か薬品をかけるなどということを体内で行ってくれているのが酵素です。口で咀嚼し、胃に入り、「ペプシン」という消化酵素の働きでアミノ酸に分解。さらに他の酵素が働いて分解、また別の酵素が働いて分解ということを繰り返すことで吸収できる状態まで細かくしています。これが、体内で起こっている化学反応です。

タンパク質でてきている?

タンパク質を主としたものとは三大栄養素の「炭水化物」・「脂質」・「タンパク質」のタンパク質のことです。

酵素はタンパク質を主体としたものなのでそもそも生きてはいません。ですので、「生きた酵素」とか「酵素が死んでしまう!」といった広告商品は知識が足りていないのです。そういった健康食品商品を見たら買わないほうがいいでしょう。

熱に弱いということは本当です。目も肌も毛も全部タンパク質でできています。手で熱いもの触ったらやけどをしますね。やけどというのはタンパク質が壊れた状態です。酵素もその種類によって違いますが、50〜70℃くらいで「失活」といって死にはしませんが、働きを失います。つまり壊れてしまうのです。

触媒とは?

一般に、特定の化学反応の反応速度を速める物質で、自身は反応の前後で変化しないものをいいます。少し難しいので、別項目内(基質特異性)で解説します。

酵素の特性

酵素の特性が2つあります。

基質特異性

基質特異性

各酵素の働きが明確に決まっています。分かりやすく、工場で働くA君のお仕事に例えてみましょう。

酵素の働き

A君のお仕事は明確に決まっています。ある製造のラインに座っているのですが、このラインの仕事はいろいろなものを小さくしていく事ですが、担当は丸いものが流れてきたら、2つに分ける仕事です。四角いものや三角のものが流れてきても、無視です。一定の仕事しかしません。すると、大量の四角いものが、流れてきました。担当のB君は忙しいですが、無視です。

化学触媒

だから、酵素には様々な種類があります。酵素の種類だけで言えば、自然界を含めて20,000種類以上はあると言われています。仕事の担当が決まっていることのメリットとして、仕事が早いのです。他の仕事も振ってしまった場合、何からやっていいのか迷ってしまい、遅くなってしまいます。酵素はタンパク質で熱に弱いため、不安定です。そのため、科学的にメカA君を作り、製造ラインに置いてみました。しかし、科学的に作られたメカA君はA君に遠く及びません。酵素は化学触媒よりも著しく早い反応を成し遂げます。

触媒といいましたが、A君は反応の前後で状態が変わりません。それが触媒です。もしも、触媒でない場合、A君が突進をしてA君が爆発することで丸いものを2つに分ける場合には、A君が丸いものが流れてくる毎に死んでしまいます。状態が変わってしまっています。この状態は触媒ではありません。酵素は反応の前後で状態が変わらないのですが、タンパク質なので、寿命があります。お肌のターンオーバーなどと同じで反応が悪くなってきたら、交換の必要があるので、酵素が減るということが起こります。

酵素が働く条件

酵素が働くためには、適正な温度や、pHがあります。多くの酵素は動物の体内で働くために作られるので摂氏35度から40度の温度で最もよく働きます。ヒトの体液のpHは7.35〜7.45なので、多くの酵素は中性付近のpHで最もよく働きます。しかし、胃の中は胃酸により強い酸性であるため、胃で働くタンパク質を分解する酵素であるペプシンは、pH2という非常に低いpHの条件下で最も活性が高くなり、中性付近ではほとんど働きません。なので、酵素が働ける環境は酵素ごとに異なるのです。余談ですが、酵素は基本的には体内で作ります。自然界には、それと同様の働きをするものがあり、それを体外から取り入れること「も」できます。

まとめ

今回は、酵素の概論の解説です。別の機会に、酵素各論を説明します。

  • 酵素の分類(体内酵素と食物酵素)
  • 体内酵素の分類(消化酵素と代謝酵素)
  • 酵素は消耗品~酵素を消耗する行為と、なぜ現代人は不足しがちなのか~

などについて話したいと思います。
最後に注意点なのですが、酵素に関する研究は日々続けられており、未知なことも多数あります。可能な限り一般論で解説していますが、科学の進歩により私の解説がかわることもあるかもしれませんので、ご承知おきいただけたらと思います。

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コメント

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