ファスティング(断食)中の頭痛。5つの原因と対処法

頭痛
断食(ファスティング)に関わるQ&A
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断食アルパカ
断食アルパカ
ファスティング中って、頭痛などの不調が出やすい方もいますね。特に初めてのファスティングの方は、いつ治まるのか、どうしたらいいのかって不安がありますね。今回はよく起こる不調の中でも頭痛について考えてみましょう。

ファスティング中の頭痛の解消方法は?

頭痛

単に頭痛といえども、原因は一つではありません。また、程度などは女性でいうところの生理痛が重い人軽い人と分かれるようにその不調の出方には個人差があります。対応の仕方は程度が違っても変わりませんので、一緒に見ていきましょう。

血圧や心拍数によるもの

恒常性機能の乱れ

頭痛の主な原因のひとつに、ホメオスタシス(生体恒常性機能)の乱れがあります。ホメオスタシスとは、体温、血糖値、血圧、呼吸、消化、排泄など、私達が意識しなくても、外部環境を問わず生体内部の環境が一定に保たれる作用です。真冬でも私達の体温は夏と同様に保たれたり、各細胞に酸素の供給が行われたりするのは、まさにこのホメオスタシスの作用なのです。

しかし、断食は身体にとってある種の異常な状況です。特に初めて断食を行う方にとっては、それまで数十年経験したことがない飢餓を体が感じることになります。近代以前であれば飢餓は珍しいことではなかったのですが、現代の日本においては経験する可能性が極めて低いため、体が対応できず、心拍数や血圧が異常に上がったり、または、低く出たりすることがあります。デスクワークを長くしたあとの頭痛や、雨の日の低気圧で頭痛を経験したことがある方も多いのではないでしょうか。そんな些細なことで頭痛は引き起こされることがあるのです。

ホメオスタシスの乱れが原因の場合には無理をせず体を休めましょう。比較的短い期間(12時間程度まで)で回復される方が多いように思われます。

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ケトアシドーシスによるもの

ケトアシドーシスはファスティング中に起こる頭痛の中でも代表的なファスティング初期に見られる頭痛になります。体が主に消費するエネルギー源がブドウ糖(糖質)からケトン体(脂質)へと切り替わることによって一定数の方に起こり得る症状の一つです。

ある一定量の糖質を摂取しながら行う現代のファスティング・プログラムではケトアシドーシスの可能性が低いという説もありますが、とりわけ海外の医療型ファスティング施設(ロシア等)では、ファスティング開始後4日目程度までアシドーシスの症状が現れる期間と考えられているところもあるようですので、わかりやすく解説していきたいと思います。

エネルギーの切り替え

食物の摂取によって安定的に得られていた体内のブドウ糖は、ファスティングに入ると通常24時間以内に消費されてしまいます。体はエネルギー源を確保するために筋肉に蓄えられているタンパク質を使用しブドウ糖を作り出し、その後体内の脂質を使用しケトン体と呼ばれるブドウ糖の代わりになるエネルギー源を作り出します。

このケトン体の血中濃度が上がることで血液が酸性に傾き、人によっては上記のような頭痛の症状が現れる場合があります。この症状も個人差が大きく、軽い頭痛程度の方もいれば、アシドーシスの期間は激しい頭痛と吐き気で一切起き上がることができず、断食2〜3日目を寝たきりで過ごす程強く出る方もいらっしゃいます。
対処方法を見ていきましょう。

一定期間様子を見る

アシドーシスの期間は一時的なものであり通常であれば約24〜36時間で治まります。どんなに予防してファスティングに入って、どのような対処をしてもアシドーシスの症状が全く収まらない方も一定数います。アシドーシスの期間は、体が劇的な変化を受け入れる代償と捉え、おとなしく耐えるしかありません。(体を休めるときと考えて寝てしまうのも良いでしょう。)

ケトン体の血中濃度を下げる

最も手軽な対処法は水分を多めに摂取することです。酸性化した血液を薄めてあげること、またケトン体を尿から排出してあげることによって症状を緩和できる可能性があります。

ケトン体を中和する

血液が酸性に傾くことによって起きる症状ですので、マグネシウムや、カルシウム、ナトリウム、電解質ミネラルを摂取することで、ケトン体を中和できる可能性があります。塩分を摂取することが最も手軽な対処法です。精製塩(食卓塩)ではなく、天然塩(岩塩など)を摂取しましょう。生水やミネラルの多い水も良いでしょう。硬水とはカルシウムとマグネシウムの含有量が多い水を指します。市販されているミネラルウォーターで構いませんが、断食中は吸収率が上がっており、化学物質も普段より吸収してしまうため、水以外の成分が記載されているものは全てオススメできません。

ブレイク(断食を一時中断)する

耐えられない場合には、一度ファスティングを中断することによって症状を改善させることができます。原因がアシドーシスであればブドウ糖を摂取していくことによって症状が改善しますが、改善しない場合には別の原因が考えられますので注意が必要です。食事は「まごわやさしい」を意識した流動食を。

好転反応によるもの

ファスティングによる解毒と排泄が行われることで、ファスティングの期間に関係なく、アシドーシスで見られる頭痛や吐き気の症状が出る場合があります。これは、好転反応と呼ばれ、その人自身が持っている体の疾患を体が自己回復させる過程で起こる反応です。この疾患は顕在化していない場合もあるため、好転反応によって自己の疾患に気づく場合もあります。

好転反応は、通常一定期間(*個人差があります)を過ぎれば、時間の経過とともに自浄作用で回復していくのが一般的です。指導者に従ってファスティングをおこなっている場合には、この好転反応を見極めてファスティングを続けるかどうかの判断がおこなえますが、個人でファスティングをおこなっている場合にはファスティングを続けるかどうかの判断が難しいと思われます。
対処方法を見ていきましょう。

一定期間様子を見る

まずは焦らず様子をみてあげることが重要です。好転反応であれば自浄作用で時間の経過とともに回復していきます。風邪をひいた時に発熱するのと同様です。ご存知のように、現代においては、発熱は体が身を守るための生体防御機能のひとつとして理解されており、多少の熱であれば解熱剤を使用すべきではないというのが通説となってきました。好転反応も同様に体が自己の疾患を修復する過程での反応です。経過を観察しながら回復を待ちましょう。

普段の塩分過多の食事によるもの

塩分

ファスティングの初期段階で、特に普段から塩分過多のお食事を摂られている方に起こりやすい症状です。ファスティング中は食塩等のナトリウムを摂取しませんが、体は普段どおりにナトリウムが入ってくる予定でナトリウムを排出しようとするため、ナトリウムを尿などから排出しすぎてしまいます。その結果、細胞中のナトリウム濃度が下がり、血管が拡張し、血流が良くなりすぎる(血圧が下がる)ため、ひどい頭痛になる場合があります。
対処方法を見ていきましょう。

塩分を摂る

塩分を摂取してあげることでナトリウム不足を解消できる可能性が高いと考えられます。天然塩を摂取しましょう。ただし、塩分を摂りすぎてしまうと、塩分には水分を蓄える性質が高いことからむくみの原因になりますので、摂りすぎに気を付けましょう。

ファスティング(断食)アイテム「ヒマラヤマグマソルト」の使い方
ヒマラヤ岩塩と言えば、ピンクソルトを思い浮かべられる方が多いかと思いますが、ヒマラヤマグマソルトはファスティングやデトックスに最適なミネラルや硫黄分が豊富な奇跡のお塩、ブラックソルトです。ファスティング中だけでなく、普段の生活でもお使いいただけますので、特徴や使い方を見てみましょう。

カフェイン絶ちによるもの

普段からコーヒー、紅茶、緑茶をよく飲む方(4〜5杯以上/日)は、ファスティングの初期段階でカフェインの摂取を絶ったことによる頭痛もみられることがあります。
対処方法を見ていきましょう。

カフェイン抜きを

カフェインが原因の場合は現在のところ対処方法が確立されていません。ファスティング前に長めの準備食期間を設け、ゆっくりとカフェイン依存から脱却していくことで、予防できる可能性が高いと考えられます。

ファスティング(断食)中に飲めるノンカフェインのお茶
ファスティング中は飲めるお茶が限られてきますが、どんなお茶なら飲めるのか、このページを見れば、解決!実際にはたくさんの種類のお茶を飲むことができます。ファスティング中でも飲めるお茶で、飽きずにファスティングを楽しみましょう。

まとめ

今回はファスティング中に見られる頭痛についてでした。それぞれが独立してというよりは複合的な要因もあります。初めてファスティングを行う場合にはアドバイスを受けながら行うのが安全です。

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コメント

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