太りにくい白米の食べ方~レジスタントスターチ~

レジスタントスターチ
豆知識
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大事な回復食。何を食べる?玄米の代替品は?

ファスティング(断食)明けの回復食はプログラムの中で最も重要と言われていますが、「玄米が良いのは分かるけれど、どうしても好きになれない」という方が結構いらっしゃいます。

そういった時におすすめしているのは、オートミールやそば、じゃがいもを除いた、いも類など、加工度の低い炭水化物ですが、回復食も3日目頃になってくると、飽きてきて「ご飯を食べたい、けれど、玄米は食べられない。」とおっしゃられる方は多くいらっしゃいます。

そういった方におすすめなのは、白米でも良いので、おにぎりにして、よく冷ましてから食べること
つまり、冷ご飯です。熱々のご飯よりも冷えたご飯の方が太りにくいこと、また腸内環境が良好に保たれたり、便秘が解消したりと、健康的な面からもオススメです。断食をしていない方も普段から使える知識なので、絶対に覚えておきましょう。

同じカロリーで、同じ糖質量なのになぜ?という疑問が沸いているのではないでしょうか?

私たちの体は、食べたものでできているわけではなく、食べて、「消化」して、「吸収」されたもので、できています。

そもそも、「太る」の定義とは?

あなたにとって「太る」とは何でしょうか?

  • 体重が増えること?
  • 顔が丸くなること?
  • 来ている服が着れなくなり、サイズが上がること?

「太る」の定義はズバリ、体にとって余分な脂肪が増えることです。余分な脂肪はどのように増えるのでしょうか?複数の代謝経路がありますが1番は糖質からくるものです。

血糖値とインスリンの関係性

食事により血糖値という血液中のブドウ糖の割合が高くなります。その状態を解消するためにインスリンというホルモンが分泌され以下の順番に作用することで血糖値を下げてくれます。

  1. 糖が細胞で使用されます。
  2. 糖が肝臓に溜め込まれます。
  3. 糖が脂肪として溜め込まれます。

普段の生活の中では、細胞は基本的にブドウ糖しかエネルギーにできません。ブドウ糖は絶対に必要なものではありますが、血液中に多すぎると問題が発生します。
高血糖状態は体にとって危険な状態なのです。
(心筋梗塞・脳梗塞・活性酸素による血管の破損等が起こり得ます)

これを解消するためにインスリンという血糖値を下げる唯一のホルモンを分泌して対処をしているのです。

ファスティングによって脂肪が減るのは、肝臓に溜め込まれた糖質を使い切り、中性脂肪をエネルギーにするしかないためです。

太りやすい食べ物、太りにくい食べものとは?

食事内容、食事量、食習慣、ストレス、運動不足など「太る原因」自体は複合的なものです。

しかし、間違いなく言えることは、「食べるから太る。」ということです。反対に、「食べなくても太る」ことは基本的にはありません。
太る原因が食に起因するものは多いため、食の改善によって痩せられる人は多いのです。

溜め込むホルモンのインスリンが出続ける状態は糖を脂肪として溜め込む状態が長くなるということです。インスリン量をうまく制御してあげることが大切です。

つまり、高血糖状態を解消としようとして大量のインスリンが分泌されるため、高血糖状態にならないような食事の摂り方をしてあげると太りにくいのです。

同じカロリーや、同じ糖質量のものを摂取したとしても、消化が容易で吸収されるものは、血糖値が急激に上昇し大量のインスリンが分泌されます。
逆に、消化が難しく吸収が緩やかなものは、血糖値も緩やかに上昇し適度なインスリンの分泌量で済みます。

血糖値に作用するものを徹底的に避ける糖質制限ダイエットは効果が出やすいのですが、過度な糖質制限は腸内細菌叢に深刻なダメージを与える(日本人の腸内細菌には炭水化物を分解してエサにしている菌が多いため)など、
デメリットが大きすぎるので私たちとしてはオススメしていません。

レジスタントスターチ

今回の本題、「レジスタントスターチ」のお話です。

まず、温かい白ご飯についてです。温かい白ご飯は非常に美味しいのですが、精製されていることによって、太りやすい食品の代表例である白砂糖と同様といっても過言でないほどに太りやすい食品といえます。
すぐに消化吸収され、急激に血糖値を上昇させてしまうのです。

しかし、白ご飯でも、冷やしてあげることで、デンプンの質が変化し、消化しづらいデンプンになります(難消化性デンプン)。

レジスタントスターチとは
「レジスタント」=「消化されない」
「スターチ」=「でんぷん」
のことです。日本語に訳すと「難消化性デンプン」になります。

レジスタントスターチは、デンプンにも関わらず、食物繊維と同様の作用があると言われています。小腸で消化されないためエネルギーになりにくく、大腸に達して腸内細菌により短鎖脂肪酸へと変えられます。

注意点としまして、おにぎりは冷えているご飯という前提で解説しているため、おにぎりでも温めてから食べるとレジスタントスターチもα化といってもとに戻るため、前提条件としてご理解いただけたらと思います。

レジスタントスターチのメリット

太りにくい

温かいご飯を食べると通常は小腸で消化吸収されてグルコースになり、血中へ送り出されるため血糖値が上がります。

これに対し、レジスタントスターチを多く含むおにぎりは、分解されにくいため吸収が穏やかになり、血糖値の上昇が低く抑えられる事が分かっています。
血糖値が急激に上昇しなければ、溜め込むホルモンであるインスリンの分泌量が減るため、中性脂肪に変換される糖の割合が低くなります。

EUでは、レジスタントスターチを14%以上含む食品について「食後の血糖応答が小さい」という表示をすることが認められているようです。
また、最初に摂る食事が、次の食事の際の血糖値に影響を与えることをセカンドミール効果と言うのですが、食物繊維が多いものを摂っておくと、次の食事でも血糖値が上がりづらくなります。良い事ずくめですね。

腸内環境の改善

大腸に届いたレジスタントスターチは、そのほとんどが腸内細菌によって発酵を受け、短鎖脂肪酸へと変換されます。
この過程でpHが下がりミネラルが体内に取り込まれるとともに、善玉菌優位の腸内環境ができあがります。
大腸癌や大腸炎の予防に効果があるという説もあります。

便秘の解消

レジスタントスターチは、食物繊維と同様の働きをするからこそ、便秘の解消が期待できます。厚生労働省による食物繊維の摂取基準は、18~69歳で男性20g以上、女性18g以上となっていますが、現状どの年代でもこれを満たしていないのが実情です。

間食の抑制

空腹は血糖値が下がったときに感じるというのが通説ですが、安定的な血糖値の上昇により、満腹感を持続させる作用があります。これによって間食をとらなくてもイライラしたりする確率が減ります。

まとめ

温かいごはんより、それを冷まして、おにぎりにしてあげると太りにくくなる理由は理解できましたでしょうか?

しかしながら、白米自体が精製された炭水化物ということを考えますと、熱々のご飯よりは冷ましたほうが太りにくいというだけで、玄米など未精製の炭水化物に比べると太りやすいということも合わせて覚えておいていただけると嬉しいです。

つまり、おにぎりも、玄米のおにぎりであれば言うことはありません。いい岩塩と、昆布や梅干などを具にして、海苔で巻いてあげたら最高ですかね。

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